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Men from Yasuda Family part1

(Japanese)

安田家の男(漢)達

1・父さんの思い出

 ここは平和な安田家の食卓。

今日は安司の希望でハンバーグだった。食事も終わり、フロにでも入るかなと、安司が思った時、安司が口を開いた。

「ねえ父さん・・・」

「ん?」

「1つ、聞いてもいい?」

「?」

「どうして父さんは・・・」

「何?」

「ハンバーグにワサビつけるの?」

「What!?」

「だから・・・」

「安司それ以上言わなくていい」

「そう・・・」

「やっぱり変?」

「当たり前だよ!!」

安司はそう言い捨てるとフロに入ってしまった。そこへ安則が来て、

「悪かったな、今度はからしにするから」

「ムカ!」

全然分かってない。

安司がからしもおかしいと言うと、タバスコや一味唐辛子になる。

安則のこの味覚は、多分もう治らない。

 前に一度、安則は安司と、ハンバーグショップに行った事があった。

そこでホットドッグにワサビをつけろと例の如く叫んだのだ。

それから安司は安則とその店に行かなくなった。

 次の日大石荘平さんが来た。

2人の間に一体何が・・・

実は2人の間にはこんな事が・・・

 

〜2058年〜

 大石さんが走っている。

バシッ 大石は、自分の研究所の戸を蹴飛ばして、中に入ると、中から小型のミサイルランチャーを持ち出してその年の割には恐ろしい速さで走り出した。彼はツチノコの姿を目撃して、大急ぎであるものを取りに来たのだった・・・。

数分後・・・・・・

 息を切らせ、大石はその場所にたどりつくと、ミサイルを撃ちまくった。

1、2、3、4、5、ドーン!とはいかず、1つ1つが網のように広がって、ツチノコを捕らえた・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はかせー・・・博士—、もー。おきないと殺ス」

「△□○!!?!◯」

大石は目の前の少年を見た。彼は安田安則10才。若き日の安田君である。

どうやら、大石はねむっていたらしい・・・

「今日は、メカをくれるって言ったでわないですか?」

「?!!△○□☆◎●!」

「?」

「そうだった・・・」

「まさか忘れたなあんて言わせませんよ」←(脅し)

「もちろんちゃんとつくってあるよ」

「マヂ!マヂで!?」

博士から渡されたのは、大きめの腕時計で時計にもなり、ボタンを押すとビューンとめちゃくちゃ×100くらいの強さの電磁石がふっ飛んでいき、どこでもぶら下がる事が出来ると言う。おまけに糸には鉄が入っているから絶対ちぎれない。

「でも博士、なんで鉄なんか入れたの?」

大石はこう答えた。

「百瀬で実験したら切れたから」

安則は思った。実験台が間違っている。

百瀬なんて体重が○Kgあるんだからちぎれるのが当たり前で、百瀬がぶら下がっても切れないワイヤーなんてあるはずがない。

「さて、安則くん君にメカを作ってあげたのは・・・」

そこまで言うと大石は息を呑んだ。

安則が居ない。「!!」大石が窓の外を見ると安則が逃げて行くのが見えた。

しかし大石は少しも慌てないで、ツチノコ用ネットミサイルを撃って安司を捕まえた。

 

そこまで話した時、大石は安則と笑っていた。

2・おじいちゃんの思い出

 一方、安司のおじいさんの安次郎の家では、これまた、お茶漬けにワサビをむにっと入れて、見るのもおぞましいお茶漬けを作るのをレナはあまり良く思ってはいなかった。

しばらくして、安次郎は、

「うーん、もう一味!」

そう言うと、台所から醤油を持って来て、4、5滴たらす。

「Oh〜まずい。砂糖・・・」

その時、レナの雷が落ちた!

「いーかげんにしなさいよ!」

「なんだよ。・・・(ビビリ)」

「さっきから醤油だのワサビだの・・・」

「次は味噌を入れてみたいなーと思って・・・」

「だめ」

「なんで?」

「そんな事いって、あんた、こないだカレーをみそ汁にしたのもう忘れたの!」

すると、安次郎は、涼しい顔で、

「ああ、あれはよかったなあ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴチン

「いたい・・・(泣)」

「もう、するんでないよ」

「いやだねーん」と安次郎。

しかし彼は、自分の立場も、その一言がレナの怒りをされに助長させる事となってしまった。

 次の日・・・

 安次郎が安司の家に逃げてきた。

「どうしたの、おじいちゃん?」

「レナに、殺さ・・・れる」

「What?」

「レナに・・・」がく。

「の゛わ゛−おじーちゃ−ん゛」

 ・・・・・・・・

 安次郎は夢を見ていた。

そう、あれは子供の頃。

父とよく、植物園に行った。

確か小3の頃・・・

「わーお」

「?」

「パパー!help、help」

「NO—!?」

パパは自分をつねってみた。

キュー・・・いたい。(泣)

夢ではない。

夢ならさめてくれ。

パパはそう思った。

自分の子供が植物に食われそうになっている?

なんてこった!40年間ずっと生きてきて、こんな事はなかった。

その次にパパが取った行動は、その植物に向かって走る事だった。

 次の日・・・ニュースで。

「みなさん、おはようございます。今日は、自分の子供を助けるため、人食い植物と勇敢に戦かった40歳の男の人について、語りたいと思います」

・・・・・・・・

 そのころ、安司は、レナが殺気だってこっちに走って来たので、安次郎を中に入れて、大慌てでドアを閉める。

バンッ!どうやらレナがドアにぶつかったらしい。

バンッ!

「キャー」

レナがドアをぶち破ろうとしている。

このバアさん危ない。本当に危ない。

多分このバアさんは、この罪無き少年に、10年分の恐怖を与えたことだろう。

そして、安司はこうつぶやいた。

「いったいおじいちゃんはなにをしたんだ?・・・」

その頃夢の中の若い安次郎は病院にいた。

「うーん?」

「?!」

「よかった、気が付いた」

「母上・・・」

(※安次郎は子供の頃、母の事を母上と呼んでいた)

「やーくん、このクスリ、のんで」

「ありがとう、安司君」

そう、この安司君とは、レナから安次郎を助けた、あの安田安司である。

なぜ、この安司が夢の中にいるのか、それはこんな事があったから・・・。

 

 バンッ 安司がテレビを見ていると、大石博士が入って来た。

「安司君か・・・えーい、この際しかたない」

「安司クン」

「!?」

「今から私の家まで来てくれ」

「Why?」

「いいからはやくhurry up!」

「OK!」

「よし、エア・カーに乗るんだ!」

「大石博士、一体何があったんですか?」

「今話し掛けんでくれるかい?」

「ただいまのエア・カーの最高時速、200Km。

「ぶーん」

・・・・・・?!

多分今、一番聞きたくない声だ・・・と、安司は思った。

ちらっと横を見ると、大石が眠っていた。

「もう、いや」と安司。

ちなみにこの(ぶーん)と言うのは、安司の妹、つまり安田家の長女、安恵ちゃんの声だった。しかもこのぶ−んというのは、安田家に置いてある大石博士が作ってくれた、時速30Kmしかでないおもちゃのエア・カーで遊ぶ時に必ず言う言葉だった(安恵が)。

と、いうことは・・・

ありったけの勇気を振り絞り、横を見たとたん、

い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

と思いっきり安司は叫んでしまった。

見れば、寝てる大石の代わりに、安恵がハンドルを握っていた。

「NO・・・」

どうして、自分の人生はこんなに波瀾万丈なのかと、安司は思った。たったの10年しか生きていないのに・・・(泣)。

「安恵」

「なにー?」

「ブレーキ!」

「早く!」

「OK!」

安恵はペダルを踏んだ!とたんにスピードが上がる。

大石が飛んでいってしまった。

「ダーくそ、アクセルゥーーーーー!」

「お兄ちゃん、前!」

「NO—————————————!」

前にはエア・スクーターに乗った人がいる!

プチッ

「ひいちゃったよ、どーしよう」

「どーしよー!」

「落ちつけー×2」

「ブレーキふむ?」と安恵。

「Yes」

しかし、

「お兄ちゃん、うしろ!」

ピーポーピーポー・・・パトカー?

「もういや」と安司、しかしここで捕まるわけにはいかない。

「安恵、運転替わって」

「OK!」

「シートベルトしとけ!」

「OK!」

「よーするに、家にあるエア・カーと同じと思ってブレーキ踏んだら、スピードが出たよね」

「うん」と安恵。それならお手のもの!

ハンドルを持つと安司の顔が変わった。

「ポリ公まくぜ」※「よいこは真似してはいけません!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どうやって家に帰ったか覚えていない。

ただ、覚えているのは、大石博士を拾って博士の家に行き、用は何だと言うと、今日は疲れたから明日来てくれと言われた事だけだ。ただ、気が付くと、自分の部屋のベッドが安恵に取られていたので、リビングのソファーで寝ていたという事だ。

 次の日。

大石の家の実験室に行き、用は何だと言うと。

「君のおじいさん、安田安次郎さんは、子供の頃、人食植物に食べられそうになった。そのとき毒が体に入っていて、解毒剤が必要になった。そのクスリを安則君に渡しに行ってもらう事になっていたのだが、彼は今風邪を引いたらしい」

「それで、ボクに行ってくれという訳ですね?」

「そのとおり!」

「それならすぐ行きましょう」

「向こうでの金がいるな」

「はやく、はやく」

「1つ、気をつけて欲しい事がある」

「What?」

「例えば今は、リンゴが1つ100000円の時代だ(注:未来です)。しかし、向こうは1つ100円の時代だ」

「安い」

「さよう。だが、いつも沢山の金を持ち歩くなよ。いつ問題が起こってもおかしくないからな。それに、きみには、泊まる家が無い。だから、民宿に泊まりなさい。もう予約してあるから」

「わーい」

「それから、これを持っていきなさい」

「まさか、コレって・・・」

「その通り、ワイヤーウォッチだ。ちゃんと直しておいたよ」

「すごい」

「しかもこれには、モニターが付いていて、時代を超えて、私と話す事が出来るよ」

「じゃあ、父さんと母さんに電話して・・・」

「おーい、君、アタマを使おうよ。きみは、クスリを渡した後、この1秒後に戻ってくればいい。何も心配する事はない」

「そうですね」

安司はクスリを持つと、タイムゲートに向かって歩き始めていた。

 ガンバレ!安司!

3・ボクとおじいちゃんの思い出

 「わっ!」

 安司は小さな町に着いた。いや落とされたというべきか。まずは民宿を探そう!

後ろを見るとタイムゲートは消えていた。

とりあえず大石博士に無事に着いた事を言っておこう。

「博士—!無事に着いたよー」

「それはよかった。ガンバってくれたまえ。もし、きみがおじいさんを助けられなかったら、タイムパラドックスが生じ、おじいさんは消えてしまう」と大石博。

「おどかさないでよ!」

 その日の夕方、何とか民宿に着いた。

「やあ、安田君。大石から話は聞いているよ」

「あれ?青輝博士?」

「勿論、ぼくは青輝広(ヒロシ)25歳」

「え????なんでいるの????」と安司。

「つまりぼくは、大石博士の作り出したタイムゲートでこっちに来たんだ。君を助けるためにね」

「いきなりモニターが出てきて、大石の顔が見える。

「いやあゴメン×2。ヒロシの事すっかり忘れてた」

「そんなあ困りますよう」と安司。

「しっかりしてよ父さん」

その一言で、麦茶を飲んでいた安司はむせてしまった。

「青輝さんっ、父さんって何?」

「あー、それはね、ボクの母は青輝という苗字だったんだ。でも父さんと結婚して、ボクは青輝になったのさ。OK?」

「Oh−OK・・・?」

 次の日、安司は町に出た!

「いいかい、まずは、安次郎さんを見つけなくては駄目だよ」と青輝。

「おーいパパー」

・・・安司の口からまんじゅうが落ちた。

ひらいた口が塞がらないのだ。

「なんで・・・」

どて。安司は気を失った。

「ま゛−安゛−ク゛−ン゛」

・・・・・・・・・・

 ここはどこ?

「うーん?」安司はなんかいやになってきた。

今、彼はおきたばっかりだからOFFのようだ。

・・・!誰かが安司のアタマの中でパチンと電気をつけた。電源ON!

「ここはどこだあ?」と安司。

「おーい」

「キャーなんで翔クンがここに?」

「いやあ−パパに連れてこられて、まいっちゃうよねー」

「そうだ、おじいちゃん・・・」

「まだ、焦る事はないよ。あ、そうだ大石さんから、コレ、コレ・・・何?安田クン?」

「クツ?そーか!」

安司は、クツを履いた。クツからハム音が聞こえ、安司の体が宙に浮く。

「すごーーーーーーーーーーい!」と翔。

「よーし、これさえあれば、何とかなるぞー。翔ちゃん行こう!OK?」

「OK!」と翔。

 外に出た安司は早速クツの使いかたを聞くため大石に連絡をとった。

「あーこら翔クン、そのクツはまだ実験してないし、時速を間違えて、100Km/hまで出るようになっているんだよ!」

そこまで大石が言っても翔はケロリとして、

「じゃあ、100Kmでないように操作を教えてくれればいいじゃないですか」と言うし、安司まで、

「100Km出す訳ないし、そんなに使いませんよ、このクツ。あと、今少し浮いてるんですけど・・・」

そこまで言うと大石は、

「わかった×2、安司クン、そのワイヤーウォッチの赤い所をおしなさい」

ポチッ。すると安司は地に足をつけていた。

「いいかい、次は・・・」そこまで大石が言うと安司はモニターを切り、町に飛び出して行った。

・・・・・・・

 その日の夜。

「なんか町の人から、変な目で見られたよ。疲れた」と翔。

「当たり前だよ、本当なら学校に行ってなくちゃいけない時間なんだもん」と安司。

「ソーか・・・キミ達は学校に行くべきなのかもしれないな・・・。よし、明日からキミ達は学校へ行きなさい。ボクが何とかしよう」と広。

 その夜、ご飯を沢山食べ、布団に飛び込み全てを忘れ、ぐっすり寝た

その頃大石は民宿のドアをたたいていた。

ドンッドンッ。

「ハ〜イ。!!!●△×○・・・%!」

「どうしたんです?」と広。

「ああ、大切な事に気付いてしまってな。コレを放っておいたらとてつもないパラドックスが起きてしまい大変な事になる」

「なんかどっかで聞いたような、その話」と広。

「兎に角中へ」

 次の日の朝。

 安司と翔が朝食を食べに下に行くと(パジャマ)大石が新聞を読んでいた。

「おはよう」と大石。しかし、2人ともオドロクだけだった。

「さて、ここにワシがいるのはものすんごい事に気付いたからと暇だからじゃ」

「暇って・・・」と翔。

「まあ、それはおいといて、君の家では今、ものすんごい事になっている」

「?」と安司。「もっと分かりやすく言って下さい」と翔。

「うむ、それでは図で説明しよう」

大石は献立が書いてある黒板に図を書き始めた。

「この図を見て分かるようにこの2015年と2083年とは、常に一定の時間を挟んでいる。つまり、キミがここで1日過ごすと、キミがいる筈の2083年ではきみが私の所へ行ったっきり帰って来ないという事になってしまっている。そこで私は、2083年から数年かけて、この2015年からもタイムゲートを開く事が出来るようにしたという事だ。OK?」と大石。しかし安司はまだ話に付いてこられないようだ。

「つまりキミ達は今私達がいるべき所へ帰るのに、少し予定と違うやりかたで帰るという事だからキミ達は早く食事をして学校に行き安次郎さんを見付けてくれ。そして彼と仲良くなりクスリを渡す。これでパーフェクト!」

大石は最近、自分のこれからの人生について自信を持つため、こんな冒険もする気になったのだ。しかし、今はそんな事よりトーストを食べて、新聞を読まなくては。安司達もまた、早く学校へ行かなくてはと思ったので、顔を洗いに行った。

 学校で・・・・・・・・「今日は、新しい友だちが来ます。みんな仲良くしてねー」はーい、と、子供達。安司と翔は2人とも同じ事を考えていた。

『頼むから子供扱いしないで』

安司が席について、ノートを出すと、隣の男の子が話しかけてきた。

「よぉ、カッコイイ時計持ってんじゃん何?このボタン?」

「ヤメテ、ダメだって!アーNO—」

もう遅かった。少年は、黄色のワイヤー発射ボタンを押してしまった。みんなが見ている前でワイヤーが飛び出し、黒板に張り付いた。もう駄目だ、と安司は思った。しかし先生は気付かず、安司はワイヤーを巻取る事が出来た。

「すごいじゃんその時計」と少年、少年ではかわいそうだからAクンという事にしておこう。Aクンは休み時間中に安司の所へ来てはひっきりなしに何か話しかけていた。しかし、流石にAクンでは疲れるから、安司は思いきって名前を聞くことにした。すると・・・。

「?ボク?ああ、ボクは安次郎」

「?!」と安司。

「ボクは安田安次郎。キミは?」

「安田、安田安司」

「?聞こえない」

「安田安司」

周りからおおーという声が上がる。

その日1日安司は嬉しかった。

何といっても最初に声をかけてくれたのがほかならぬ安田安次郎だったこと。

ワイヤーウォッチの事故に先生が気付かなかったこと。

そして、帰り道、安次郎の家を教えてもらい、大石の所へ帰ると何やら作っているので何?と聞くと、翔のためのワイヤーウォッチだったこと。それを翔の所に持っていき、2人とも同じものを持てたこと。

しかし、大石はこう言っていた。

「安司君のワイヤーのあまりしか入ってないから、10メートルしかのびない事を忘れんでほしい」

その事を翔に伝えると、

「Ah−OKOK、大丈夫×2。10メートルで十分だよ」

と言っていた。

 そして何週間かが過ぎて、冬休みがやってきた。

冬休み初日、大石が新聞を持って安司と翔の部屋に来た。

「これを見てくれ」

新聞には、“イギリスで反重力装置が完成”とあった。

イギリスって、地球だ。ココかよ・・・・・。休みでおとぼけモードになっていた安司はコレは大変な事だという事に気がつくのに時間がかかった。大変だ・・・。

これは一大事だ。ん?

安司は考えてみたがどこらへんが大変なのかよく分かっていなかった。兎に角、歴史が刻まれる瞬間を目撃したのだ。

翔も同じ事を考えていたらしい。次どうするか迷った挙げ句2人は遊びに行く事にした。

しかし、PiPiPiPi、デンワだった。

下でヒロシが呼んでいる。

「おーい、安司クーンでんわー」

「はーい」

ドタバタと下に下りていきデンワをかわる。

「もしもしー・・・」

「もしもし、ボクだよ。安次郎だよ」

「あ〜もしもし・・・何?」

安次郎の電話の意味とは何か?

 つづく・・・

 

 

 

 

 

 

続・父さんの思い出

「いやあ、あのネットはまいったなあ」

「安則君、この私から逃げるのが間違いなのだよ」と大石。と、そこへ。

「お父さん、大石博士は、何の用だったの?」と安司が口をはさんだ。

「うんそれはな・・・」

〜2058年〜

「博士−−−−−−−−だしてよおー。も−逃げないよー」

「本当かい?」と大石。

「本当ですって。この目を見て」

大石は安則を見た。ネットの中にいる少年はどことなく無気味だ。大石は安則の目を見た。

まさしく、目がウソをついていた。

「私のこの頼みはへたをすると命を落とす」

「What?」

「もう一度言う。この頼みはへたをすると命を落とす」

「逝くってことですか?」

「その通り、だって、私のヘソクリを取り返すと言う危険きわまりない頼みだからだ」

「え、ヘソクリ・・・・・・」・・・ヘソクリ?

「そう、私の助手に持っていかれてしまった本。あの本に私のヘソクリが挟まっている」

「いくら挟まっているんですか?」と安司。

「100万円(注:未来です)」

「えーマヂで−?」

「ああ、その助手がな、1度借りたものは、自分が返すまで命をかけて守り通す変な人なんだ」

「でも、もしぼくが取り返したら、ゴハンおごって下さいよ」

大石は青ざめた。しかし、

「わかった。何でも好きなものを食べに行こう」とやっとの思いで言う。

 そして、次の日。

「いいかい、ここだ」大石は地図を指差して言った。

その目的の家を大石が指差した時、安則は大石を殴りつけて、こう言った。

「となりじゃねーか。自分で行って下さい」

しかし、大石は食い下がってこう言った。

「そんな、自分で行けなんて、逝ってしまうよ」

「じゃあこうすればいいんでしょう」

安則は隣の家の窓ガラスを椅子で叩き割ると、その本をワイヤーで取った。

 そしてその日は、大好きなハンバーグを沢山食べて、大石と別れた。

 エピローグ

 次の日、大石の家にその助手が来た。

「すいません、博士。博士に借りた本、ドロボウに盗まれてしまいました」

安則はドロボウになってしまった。その時助手の目にその本が映った。

「博士、この本はどうゆう事ですか?」

「いや、それは、その・・・・・・」

大石は言い訳に困ったという。

 父さんの思い出 完

 

続・ぼくとおじいちゃんの思い出

〜2015年〜

「安司クン−電話—」

青輝博士が呼んでいるので、安司は下にいき、電話を替わる。

「もしもし安司ですー」すると、

「もしもし安次郎だよ」

!!! まさか向こうから電話が来るとは。

「ぼくね、今度、パパと植物園に行くんだけど、一緒に行かない?」

「うーん、やめたほうがいいよ、逝っちゃうよ」

「いく?どこに行くの?」だめだこりゃ。と安司は思った。さらに、

「ねー−−−−ねーいこーよ−明日なんだけどどお?」

安司は思った。待てよ・・・このプランに乗って、彼が人食植物に近付かないいようにすれば・・・。

安司はこう言った。

「青輝君も一緒に行っていい?」

翔は少し笑った。すると、

「うんOK!じゃあ明日ね、学校集合」

そう言うと電話は切れた。

2人は笑った。HA、HA、HA!

 次の日。

 学校まで2人が来ると、一代の車が止まっていた。

「おーい。こっちこっち」

2人が見れば安次郎が窓から身を乗り出して手を振っている。そして2人が車に乗り、持ち物をチェックした。

「これがべんとう」

安司は思わず聞いてみた。

「ワサビ持ってきた?」すると、

「う・・・うん」!!!!!!! やっぱり。安司は自分に聞いてみた。どうする。このヘンな味覚をここでなんとかしないと、次は自分の番だぞ。しかし、安司は諦めた。今はそんな事してる時じゃない。そして植物園が近付いてくると安司は不安になってきた。これからなにが起るのかは安司と翔しか知らない。本当に自分に安次郎を助ける事が出来るのだろうか?そう思っていた安司からは魂が少しぬけていた。

翔は安司をつっついて、気をしっかりさせた。

それでも半分逝きかけていた安司に対して翔は最後の手段を使う事にした。

「大石博士が行ってたじゃないか。安次郎さんのお父さんが助け出すって」その一言で安司は少し元気になった。そうだ、自分達はその人をアシストしていればいいのだ。

そして、ついにその植物園に着いた。そこで入園料を払うと、いろいろな植物をみて廻った。そしてひときわ大きく(高さが10mはある)て、上になんかカオ(?)のようなものが付いている。そしてよく見ると、5本の触手のような長いツルが伸びていた。こいつだ。こいつに安次郎が食われそうになって、安司がここに来る理由なのだ。

すると安次郎がもっと近くで見ようとそいつの近くに歩いて行った。

そこで安司は思った。今ここで安次郎を引き止めれば無駄な努力をしなくても済むんじゃないか?

ほどなく、そういう考えに達した安司は、安次郎を引き止めようとした。しかしもう遅かった。ツルが安次郎の足に絡み付き、そのパックンフ◯ワ−みたいな口元に持っていかれた。その次の瞬間、翔が消化器の安全ピンを引っこ抜き、その巨大植物(?)の口めがけて消化器をぶん投げた。

・・・・・・。

その植物は消化器を飲み込んだ。

・・・・・・。

と、突然その植物が大暴れし始めた。

どうやらお腹の中で消化器が泡をまいているようだ。その証拠に口から泡が出てきた。それをおもしろがって見ている安司と翔。

その時、翔が安次郎の弁当からワサビを取り出し、大暴れしている植物の口に入れた。すると、その植物が発作を起こした。

これは、その時の植物の声である。

「オ゛オ゛−○゛△゛○゜△゛しかく△▽☆゛8○●〜!グオー・・・がく」

口から泡を吹いて撃沈した人食植物。

しかしその植物が息を吹き返した。

そして今度は翔にツルが伸びて翔の足に巻き付いた。しかし翔は少しも慌てず、ワイヤーウォッチをツルに括りつけて、鉄の壁に磁石を飛ばす。そして、高速巻き取りのボタンを押す。ウィィィィンピン、ブチッ。流石5トンのものまで支えられるワイヤーだ。やわなツルなどちぎれてしまった。そして翔はワイヤーウォッチを回収して、白目をむいて倒れている安次郎を助けだした。そしてこれはもう植物園どころじゃないな、と思ったPaPaは3人を車に乗せて猛スピードで(2回電柱にぶつかった)家に帰った。そしてまだ白目をむいている安次郎を家のベッドに寝かせて、安司と翔を民宿まで連れていった。

とんとんとドアを叩くと大石が出てきた。

PaPaは、詳しい事は2人に聞いて下さいと大石にいうと、安次郎の事もあるから、と恐ろしいスピードで帰っていった。

 次の日。

 安次郎は学校に来なかった。

先生が言うにはPaPaからは安次郎が白目をむいているので今日は休みます、という事だった。勿論先生にこの意味がわかる筈ない。

 そして更に日が流れた。

パックン事件から1週間程過ぎた。

安司は心配になってきた。

そこで大石の考えで1度2083年に帰ろうという事だった。

そしてタイムゲートをくぐり、少しの間だが2083年に戻ってきた。

やっぱり2083年が一番良い、と安司は思った。

しかし

翔に異変が現れ始めた。翔がずっと思っていたらしいがツルが足に巻き付いた時、チクリ、と一度さすような痛みがあったらしい。

それだけではなんともいえないので少し様子を見る事にした。しかし5分とたたないうちに翔の顔色が悪くなってきた。

うかつだった。大石はみんなを連れ、もう一度2015年に行くためタイムゲートをだそうとした。しかしでてこない。

AH!コンセントがぬけている(笑)。

コンセントをさし、タイムゲートを呼び出すと民宿に戻ってきた。そしていろいろな翔のための準備をすると、大急ぎで病院に連れていく。しかしその途中で急いで走っていた安司は小さな女の子(7、8才くらいか?)に気付かずぶつかってしまった。「いててて」そういうと安司は横で倒れている女の子に謝りもしないで、走り出した。

その時、大石がタクシーを止めて、「安司クン!早く×2!」と叫んでいた。

早々に走り、そこから離れる安司。

その時1人の男の人が走ってきた。

「レナ!大丈夫か?」・・・れな?

そう、今、安司がふっ飛ばした子はあと何十年もすれば安田レナになる人である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そして病院に着いた安司達。ドアの前に立ち開くのを待つが開かない・・・。手動だった。

しかし安司は両手に翔の着替えでパンパンになった袋を持っているため、ドアが開けられない。大石も同じだし、広は両手で翔を抱えている。

取るべき方法は1つだけ。バーン。

大石はドアを蹴っ飛ばした。そして全員が病院に入る。するとロビーにはPaPaと安次郎がいた。しかし安次郎は白目をむいていなかった。そして、PaPaは大石に一言。「そのドアは真ん中のボタンを押せば開くんですよ」

「え゛?」と大石。ドアの前には人が集まっていた。いつも大石は自分の家のドアを蹴っ飛ばして入るから思いっきり蹴っ飛ばしてしまったのだ。

そのせいでドアは粉みじんになっていた。

大石はロビーの人にものすごい形相で入院しなくてはならないのが2人いる、と言い、2人は大石のお陰で入院出来る事になった。2人はお医者さんの出した薬で少しの間痛みが無くなった。そこで大石が一度、2083年にクスリを取りに戻った。それから大石がクスリを取りにいってから10分で、大石が戻ってきた。

PaPaは目を丸くした。そして大石が翔にクスリを飲ませようとしたが疲れたのかすっかり寝むっていた。そして翔がむにゃむにゃと寝言をいい始めた。

「畜生!この野郎」え゛?畜生(ちくしょう)?翔が?

更に寝言は続く。

「ってんじゃねーぞコラア」恐!そして最後に、

「逝かすぞコラア!」怒?ってゆーか誰を?

 それから1時間後。

「ふぁ〜よくねた。いい夢だったなあ、いいたいこと言えて、さめないでほしかったなあ」広は思った。これが夢ならさめてくれ。

大石がコップに水を入れてもってきた。このクスリを飲みなさいと言い、2083年から持ってきたクスリと水の入った紙コップをテーブルに置く。

※ 大石は翔の寝言を聞いていない。

大石は翔に声をかけた。

「翔君、クスリのみなさい・・・飲んだのね」

見れば翔は既にクスリを飲み、グーグー眠っていた。

 次の日。

 安司は安次郎にこのクスリを飲むように言い、水差しから水をコップに注ぎ、カプセルのクスリを置く。安次郎がそのクスリに手を伸ばすと、PaPaがクスリを窓から外にぶん投げた。

「安次郎!その変な人達から物をもらってはいけない!」変な人たちはねえだろ、と安司は思った。PaPaの気持ちも分かる。僕がこっちに来てから、おじいちゃんを危ない目に遭わせっぱなしだもんなあ、と安司は思った。

 その頃、2083年での安則は・・・。

   寝てた。Zzz・・・

まさか自分の息子が68年前で四苦八苦しているとは夢にも思うまい。そんなすったもんだしている間に3日が過ぎた。PaPaは日に日に良くなっていく翔と、日に日に悪くなっていく安次郎のカオを見比べてとうとうそのクスリを安次郎に飲ませた。しかし植物の毒にあってから4日も過ぎている。大丈夫だろうが間に合ってくれ。誰もがそう思った。

しかし、安次郎は翔のときとは比べ物にならないスピードで回復した。考えられる事は1つだけ、翔は仮病を使っていたのだ。翔はクスリのお陰で良くなっていく自分の体をのろった。「復活したらまた学校に行かなくちゃならない・・・。仮病使お」・・・ということだった。勿論翔は広にこっぴどく叱られてしまい、元気がなかった。

しかし、大変な事になった。

この事がきっかけとなり2083年に帰りづらくなってしまったのだ。それは何故かと言うと、PaPaは嬉しさのあまり病院中を大声で走り回り、病院中に知れ渡るわ、学校に翔と安司が行くと、安次郎が言いふらしたせいで安司はそのクラスの神のようになり(翔は少し不満があった)学校中に知れ渡るわ、どこでもそんなゴシップを知ったのかマスコミが駆け付けて、学校は蜂の巣を突いたような騒ぎになるは、新聞には載るわ、翔がテレビカメラのコードにけっつまづいて転びねんざするわ、大変な事になった。

 1週間後。

 翔のねんざも治り、流石にもうマスコミも飽きたのか、安司は広や翔や大石がテレビにでてお茶の間を騒がす事も無くなった。

よし!今だ!と思った大石は身支度を始めた。

2083年に帰るのだ。安司も翔も持ってきたものを全て、バッグに詰め込み、妹の安恵の土産にとこけしを1つ安いの(300円)を買った。母さんの由美子にはおまんじゅうを買った。安則には招き猫のキーホルダーを買った。安次郎にはこけしの耳かきを買った。!! 安司は安次郎の家に走った。

ピンポーン。安次郎がでてきた。

「やあ!どうしたの?」安司は切り出した。

「ぼく、転校するんだ・・・」安次郎のアゴが外れた。

「いつ?いつ?」と安次郎。すると安司は笑いながら明日、と言った。−タイムゲートを開き、2083年に帰るのは明日だー安次郎のアゴがまた少し、下に行く。

「明日?そんなに突然に」

「うん。明日、学校でみんなにも言うよ」

安次郎はそれじゃ明日、と言っただけで家に入ってしまった。

安司も泣きたいのをぐっと堪えて、民宿へ帰った。

 次の日。

 先生が、安司と翔の転校をみんなに知らせた。わき上がるブーイングー先生がにらむとおさまったーの後、2人はみんなにさようならを言い、教室を出た。校門に向かい、そこで待っていた大石と広と2人は、駅の方へ歩いていった。がたん!と大きな音がして、みんなが音のした方をむくと、安次郎が立ち上がりもの凄い速さで走っていき、2人の後を追った。

その頃4人は駅に着き、切符を買い、列車に乗り込んだ。発車まであと10分。

その頃安次郎は、上留厨ニュータウン駅についた。

発車まであと3分、安次郎は駅員に4人の事を訪ね、4人が小間飛行場行の列車の切符を買ったと聞き、同じ切符を買い、列車に乗り込もうとしたが既に動き始めていた。「うぉるぁー!」安次郎は両手で自分のカオをかばい、窓をブチ破って列車に乗り込んだ。

そして、つり革につまるとふぅ−とため息をついた。

 どれくらいの間列車に乗っていたのだろう。

安次郎はある声で目を覚ました。車内アナウンスだ。

「え〜小間飛行場−小間飛行場でーす」はっ気がつけばつり革に掴まったまま、8時間も寝てたらしい。

列車を降りて、4人を探す・・・いた!?蝸牛島行のフネに乗った・・・。蝸牛島?何でそんな所に行くんだろ。ア、今、ここで蝸牛島行のフネに乗ると、帰りの電車賃が無くなってしまう。どうしよう。あ゛、蝸牛島行の船は、行ってしまった。安次郎は何気なく、空を見た。月が見えている。月?はっ蝸牛島は・・・しお干狩りで有名ってことはしお干狩りに行くの?ちがうっ!

蝸牛島はこの季節だと5時30分には満潮で沈んでしまう。今4時、丁度、どうしようー。その時「おーい、君どうしたの?」と水上スキーに乗った人が声をかけてきた。そして、安次郎が蝸牛島に行きたい理由を説明すると、その人は、

「気に入った!蝸牛島まで乗っけてやる。水上スキーの後ろに乗んな!」

奇跡だ、と安次郎は思った。

見れば蝸牛島にもう少しでフネがつくところだった。

そのひとは水上スキーを飛ばし、4時30分には蝸牛島についた。すると、しお干狩り場の中の人があまり(というか全く)いない所に4人はいた。

大石がタイムゲートを開いた。5時15分。あと15分で、島が沈んでしまう。安次郎が飛び出した。

「安、安司君!」安司は自分の目がバカになったのかと思った。しかし振り向くとそこに安次郎がボロボロになって立っていた。

「ぼくら、また、またいつか会えるよね!?」と安次郎。

「絶対、会えるさ!絶対に!」会えない訳がない。

「また、植物園行ったりできるよね!」もう行きたくない。

「もちろん」しかしそこまで言うと、島が沈み出した。水上スキーの人が近付いてくる。海水が腰のところに来た。あ゛、安次郎はある事を思い出した。

「大石さん!帰りの電車賃を貸して下さい」

大石は安次郎に千円渡した。もう海水が首まで来た。

安司はタイムゲートから首を出して安次郎を見た。安次郎は水上スキーによじ登っていた。よかった。

最後に手を振り、安司はタイムゲートに入った。

とたんに大石がゲートを閉める。長かった。

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 数日後、安次郎と安則が何か話している。

「なあどうして安司はワシらの子孫なのにワサビが嫌いなんだろう」と安次郎。「うーん、オレがそれとなーく聞いてみるよ」と安則。

2人は安司を見つけて、安則がこう言う。

「なあ、安司」

「なに?」いいぞ!このままそれとなーく聞くのだ。

「お前、ワサビ嫌いか?」単刀直入——————————だめだな。

「大きらい!」

と安司。目を丸くする2人。やっぱり。 完

Written by Mr. Fujitsu

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